【#04】SUBCULTURE 現場が語るインナーダウン
工場の片隅で、瀬尾と職人が言葉を交わす。
「現場に足を運ぶこと」が彼にとっては何より大事だ。
顔を合わせ、互いの目を見て話すことで、作り手が「どこの誰のためにこの製品を作っているのか」を理解する。
その理解が、結果として“より良いもの”につながる。
素材に触れる
袋から取り出された羽毛は、空気のように軽い。
掌にのせると、すぐに熱を閉じ込め、確かな温もりを返してくる。
これまで「見えない裏方」とされてきたダウンを、SUBCULTUREは今回“主役”として再定義した。
インナーダウンは、隠れるためではなく、表に立つための防寒具だ。
作業台の上の線
黒い布に引かれる白いチョークの線。
それは型紙であると同時に、未来のアーカイブへの設計図でもある。
一枚一枚がやがて組み合わさり、インナーダウンの新しい形になる。
レザーとの対話
インナーダウンと並び、今季のもうひとつの柱となるディアスキンジャケット。
鹿革の質感を確かめる指先に、素材との対話が現れる。
生地も革も、どちらも現場でしかわからない温度がある。
形になった証拠
完成したベストの裏地には、SUBCULTUREのオリジナルネーム。
表地には織りの存在感、内側には羽毛の膨らみ。
インナーでありながら、主役として街を歩ける防寒具。
ジャケットにはオリジナルのボタンが輝き、この現場で積み重ねられた時間を確かなかたちに変えていた。
無機質な機械音
ダウンを吹き込む機械が静かに稼働している。
透明な窓の向こうで羽毛が舞い、
人の手と機械の精度が重なり合う。
「主役になれるインナーダウン」は、こうして作られている。
終わりに
エンジニアジャケットやブラウンザビーチのベストが
未来のヴィンテージとして語り継がれてきたように。
このインナーダウンもまた、
「現場」と「職人」と「使い手」の記録として、時代を超えて残っていくだろう。